博士課程大学院生Tong(童)さんの論文がPLOS ONE誌にアクセプト・掲載されました。
Apaf1というミトコンドリア依存性アポトーシス経路における重要なアダプター分子欠損は、アポトーシス障害により、発生過程のニューロンの異常な蓄積で胎生致死になります。成体におけるApaf1の役割を解析するため、コンディショナルノックアウトマウスを作成、T細胞でのみApaf1を欠損するマウスを作成し免疫反応におけるApaf1の役割を解析しました。
Apaf1欠損T細胞は、さまざまな刺激に対して過剰な増殖やサイトカイン産生、活性化状態亢進を示し、その結果、欠損T細胞を持つ個体ではDTH(遅延型過敏症)免疫反応が亢進しました。さまざまな解析により、この活性状態の亢進は、Apaf1の本来の機能であるアポトーシス・カスパーゼの活性化とは別のメカニズムによることが明らかにされました。カスパーゼ活性化とは別のApaf1の役割はほとんど報告がなく、この分子の新しい役割を明らかにした論文です。