見市講師の、赤痢アメーバのシスト形成に関する論文がFrontiers in Cellular and Infection Microbiologyに掲載されました。

Frontiers in Cellular and Infection 
Microbiology

赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)は、ヒトの大腸に感染し、アメーバ赤痢を引き起こす寄生虫です。生活環は栄養体期とシスト期の2つに大別され、シスト形成は次の宿主への唯一の伝播経路であり、その阻害は感染拡大を阻止することが出来るため着目されてきましたが、解析方法が限られていたこともあり、その全容は未解明なままでした。今回、シスト形成の新規な解析法としてフローサイトメトリー法の導入を試みました。栄養体の膜構造をEvans blueで、シスト壁の主成分であるキチンをCalcofluorで蛍光染色することで、栄養体とシストをそれぞれの細胞集団として明確に区別して検出することに成功しました(下図)。本方法は形成されたシスト数を迅速・再現性良く定量処理できるため、シスト形成を阻害する化合物のスクリーニングが可能となり400化合物のスクリーニングを行った結果、シスト形成を顕著に阻害する化合物を17個得ることができました。

本研究成果は、2018年7月発行の科学雑誌「Frontiers in Cellular and Infection Microbiology」に掲載されました。

図1