見市助教の、赤痢アメーバのシスト形成についてまとめた総説がPLoS Pathogensにアクセプトされました。

赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)は、ヒトの大腸に感染し、アメーバ赤痢を引き起こす寄生原虫です。赤痢アメーバの生活環は栄養型期とシスト期の2つに大きく分かれています。ヒトへの主な感染経路はシストの経口摂取です。そのため栄養型からシストへの移行である“シスト形成”は、それを阻害すると赤痢アメーバの宿主間伝播を直接阻止することが出来るため、治療という応用的側面から着目されてきましたが、その分子機構はほとんど解明されていませんでした。昨年度の見市らの研究により、コレステロール硫酸という脂質の一種が、シスト形成において重要な役割を果たすこと見出しました(Mi-ichi F et al., PNAS, 2015)。この発見は、シスト形成機構の全容解明に向けた端緒となることが期待されるものであることから、本総説では、“シスト形成”の分子機構に関するこれまでの知見について概説し、さらに、我々の成果との論理的関連性などを含めた当該研究領域の展望について述べています。

http://journals.plos.org/plospathogens/article?id=10.1371/journal.ppat.1005845

hp-miichi